縮毛矯正やカラーを繰り返している方の髪は、見た目以上に複雑な状態になっていることが多くあります。今回ご紹介する施術は、波状毛・うねり・膨らみといったクセに加え、カラーや縮毛矯正による蓄積ダメージがある髪に対して、部分的に薬剤を使い分けて丁寧に対応した事例です。

◆ 髪の状態と課題
ご来店時の髪の状態は3ヶ月に一度の頻度でカラーを継続
縮毛矯正の履歴あり(中間~毛先にかけて)
クセの種類は波状毛とうねり、全体的に広がりやすい傾向
毛質は中太で柔らかさは標準クセ硬め
中間~毛先にカラーと縮毛矯正によるダメージが蓄積
毛先は乾燥しやすく、パサつきと引っかかりが顕著
このようなケースでは、一律の薬剤処理では髪に過度な負担を与えてしまうリスクが高いため、部位ごとに処方を変える必要があります。
◆ 薬剤選定と技術設計
今回は、髪の部位ごとにダメージレベルとクセの強さを判断し、次のように薬剤を選定・処理を設計しました。
前処理
全体に「UN1 mist」を使用し、水分と内部バランスを整えることで、後に使う薬剤の浸透と均一な反応を助けます。前処理は髪を守るうえで非常に重要な工程であり、後の仕上がりを左右する鍵でもあります。
根本処理
根本には、自然な仕上がりと低ダメージ性を両立した縮毛矯正剤「BlissMemory」を使用。クセが強く残る部位に対し、じっくりと時間をかけて反応させる設計で、10分→10分→5分の3段階放置を採用しました。これにより、過剰な負担を与えずにしっかりとクセを伸ばすことが可能になります。
中間~毛先処理
ダメージの大きい中間~毛先には、やさしい作用で髪に必要な成分を届けながらクセを整える「MorgaAce」を使用。放置時間は5分→10分→10分→5分と、段階的に反応を見ながら調整する方法で行いました。
加えて、毛先にはダメージ処理も併用し、毛髪内部の補修と外部の質感向上を同時に図っています。
◆ 仕上げ工程と質感コントロール
薬剤の流し後には、残留成分をしっかり除去するために「ZEROシャンプー」を使用。
アイロン操作では、髪の負担を最小限に抑えつつ、ストレート特有の硬さが出ないよう丁寧な熱処理を心がけました。
2剤処理後、再度ZEROシャンプーでしっかり洗い上げ、薬剤のアルカリや過酸化水素を徹底的に除去します。この一連の仕上げにより、手触りはやわらかく、自然なまとまりのあるストレートヘアに仕上がりました。
◆ 技術者としてのこだわり
このような「履歴が複雑な髪」「クセとダメージが混在する髪」に対しては、薬剤の知識と経験、そして細やかな髪の診断力が求められます。
私たちは単に“クセを伸ばす”のではなく、
「今ある髪の体力を守りながら、未来の髪の美しさをつくる」ことを大切にしています。
・薬剤の使い分け
・放置時間の調整
・前後処理の徹底
・仕上げまでの一貫した設計
これらすべてを組み合わせることで、ようやく“ダメージを感じさせない自然なストレート”が完成します。
繊細な技術と知識を必要とする髪質や履歴の方にも、安心してお任せいただけるよう、これからも丁寧に向き合ってまいります。

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