白髪染め・縮毛矯正の履歴があるエイジング毛を、自然でしなやかな“素髪ストレート”に。

年齢を重ねるとともに増えてくる髪の悩み。
「うねり」「パサつき」「広がり」「チリつき」「まとまらない」など、加齢とともに現れる“エイジング毛”の変化は、これまでの施術だけでは対応が難しいこともあります。

今回のお客様は、以下のようなお悩みをお持ちでした。

髪の状態・お悩み
・月に一度の白髪染めを継続中
・過去に縮毛矯正の履歴あり(毛先にダメージ)
・うねり/パヤ毛/捻転毛/波状毛の混在
・中間~毛先はカラーと熱の影響で乾燥とひっかかりが強い
・根元はクセが強く、質感の不均一さが目立つ

さらに、加齢による「エイジング毛」特有の変化も重なり、
・髪が細くなった
・ハリ・コシがなくなった
・艶が出にくい

施術のポイント
髪質改善ストレートは、ただクセを伸ばすだけの施術ではありません。
髪の「履歴」や「年齢による変化」を見極めて、必要な部分に必要なアプローチをする
それが、私たちの考える“素材美を引き出す施術”です。

薬剤設計(オーダーメイド処方)
▶︎ 根元(後頭部)
クセが比較的素直なため、優しく反応する薬剤で丁寧に伸ばします。

▶︎ 根元(サイド)
横に張りやすく、クセが強いため、薬剤をブレンドして反応をコントロール。

▶︎ 中間〜毛先
カラーと縮毛矯正によるダメージが蓄積していたため、非常に優しい薬剤を使用。
髪の内部に負担をかけず、柔らかく自然なまとまりを重視しました。

時間・反応コントロール
ダメージのレベルに応じて「薬剤の放置時間」を部位ごとに調整。
根元はしっかりクセを伸ばし、毛先は柔らかく自然に仕上げることで、質感のバランスを丁寧に整えました。

髪の内部ケア(中間処理)
施術の途中には、髪の内部補修を行う保湿ケア。
これにより、施術中のダメージを抑えながら、髪内部に弾力と潤いを与えていきます。

アイロン技術
クセの強い部分には適切な熱を通しながら、毛先などデリケートな部分にはテンションをかけすぎず、優しく操作。
その結果、自然な動きとしなやかさを持ったストレートに仕上がりました。

仕上がりと質感
・根元から毛先まで、指通りなめらかで柔らかな質感
・内部にしっかり弾力を感じられる髪へ
・自然な艶とまとまり
・チリつきや広がりも落ち着き、若々しい印象へ

エイジング毛への特別な配慮
エイジング毛とは、年齢とともに変化していく髪の状態のこと。
乾燥しやすくなったり、うねりが出たり、ハリ・コシが失われたり
「以前と同じケア」では思うような結果が出にくくなってきます。

加齢による髪質変化に対して

・薬剤の選定
・水分・油分バランスの調整
・内部補修
・繊細なアイロン技術

といった要素を一人ひとりに合わせて組み合わせ、髪本来の美しさを引き出す施術を提供しています。

髪質改善ストレートは、「若く見える髪」への第一歩です!
ただクセを伸ばすだけでなく、見た目も手触りも自然で、ずっと触れていたくなるような髪を目指しています。

年齢による髪の変化や、繰り返しのダメージにお悩みの方へ。
あなたの髪に本当に必要なケアと、理想の質感をお届けいたします。

知っておきたい!毛髪化学と薬剤処理の基礎から応用✨
美容師として「縮毛矯正」や「髪質改善」を行う際、髪の状態に合わせた薬剤処理はとても重要ですよね。薬剤の選定や放置時間、施術工程の組み立て方によって、仕上がりの質感やダメージの度合いが大きく変わります。今回は実際の施術例をもとに、毛髪化学の基本知識も含めながらやさしく解説します。

  1. 髪の構造と薬剤の働きを理解しましょう☑️
    まず、髪の毛は大きく分けて3層構造です。

キューティクル(表面のうろこ状の層)

コルテックス(内部の主成分、繊維状のタンパク質)

メデュラ(中心部)

縮毛矯正やパーマで髪を形づくる薬剤は主に「コルテックス」に働きかけます。コルテックスはケラチンタンパク質が多数のシスチン結合(S-S結合)で結ばれており、この結合を薬剤で一時的に切断し、髪の形状を変える仕組みです。

薬剤処理のポイントは、シスチン結合を必要最小限で切断しながら、安全にクセを伸ばし、髪に過度なダメージを与えないことにあります。

  1. 毛髪の状態と施術前の見極め🔍
    今回の施術対象の髪は以下のような状態でした。

履歴:カラーリング頻繁、縮毛矯正履歴あり

クセ:硬い波状毛、うねりとパヤ毛も存在

毛髪の太さ・柔らかさ:中太、普通の柔らかさ

ダメージ:毛先に縮毛矯正とカラーによるダメージ。パサつき、引っかかり、膨らみあり

こうした状態は、毛先のタンパク質が減少しキューティクルが剥がれている可能性が高く、薬剤の反応も通常より敏感になっています。そのため、薬剤の選定や放置時間は慎重に設定しないとダメージが増大してしまいます。

  1. 薬剤処理の工程詳細とポイント☑️
    今回の施術は4段階の薬剤処理を行っています。

処理部位 薬剤名と割合 放置時間
根元バック Bliss Memory 5分
根元サイド Bliss Memory+Queen Bee (1:1) 10分
中間~毛先 Morga Ace 10分+5分
流し&2剤処理 ZEROシャンプー

3-1. UN1 mist
施術前の前処理として「UN1 mist」を使っています。これは毛髪表面の水分バランスを整え、薬剤の浸透を均一にしやすくするためです。水分量の調整は薬剤の効き具合に影響するので大切な工程です。

3-2. 根元の薬剤処理
根元バック:Bliss Memoryのみ
根元の硬くてクセの強い部分には刺激が強すぎない単剤を短時間で反応させます。

根元サイド:Bliss Memory+Queen Bee 1:1
根元の別部位にはQueen Beeを混合して反応をゆっくり進め、過度なダメージを抑えます。Queen Beeはダメージケア成分が含まれているため、優しい処理が可能です。

3-3. 中間~毛先:Morga Ace
毛先はダメージが蓄積しやすいので、Morga Aceでじっくりダメージ処理を行います。放置時間を2段階に分けて浸透ムラを防ぎつつ、髪を補強します。

  1. 施術の科学的根拠と注意点🧪
    薬剤の反応をコントロールするために重要なのが、「放置時間」と「薬剤のpH調整」です。

放置時間が長すぎると、シスチン結合が過剰に切断され、タンパク質の流出が増えてしまいます。結果としてパサつきや切れ毛の原因に😢

逆に短すぎると、クセが十分伸びず、仕上がりが不自然になります。

また、根元と毛先の薬剤を変える理由は、根元は新しく健康な髪が多いのに対し、毛先はダメージが蓄積しやすく薬剤に敏感だからです。これが薬剤を部位によって調整する重要なポイントです。

  1. 流し・シャンプー・アイロンのポイント
    薬剤処理後は、ZEROシャンプーで丁寧に薬剤を洗い流します。このシャンプーは薬剤除去に優れているだけでなく、毛髪を保護しながら洗い上げられるため、仕上がりの手触りに差が出ます。

アイロン処理は縮毛矯正の命です。温度は髪質に合わせて最適化し、過度な熱でタンパク変性を起こさせないように注意しながら滑らせます。

2剤処理(通常は酸化剤の使用)でシスチン結合を再結合させ、形状を固定していきます。ここでもZEROシャンプーで残留薬剤をしっかり落とすことで、次のダメージ予防につながります。

  1. 薬剤の反応速度と毛髪の健康度合いの関係🔄
    毛髪内部の水分量やタンパク質の状態によって薬剤の反応速度は変わります。ダメージ毛は水分保持能力が低下しているため、薬剤が浸透しやすく反応が速くなります。

だからこそ、同じ薬剤でも放置時間を短くしたり、薬剤の濃度を薄く調整したりして、過剰反応を防ぐことが大切です。

  1. 安全で美しい縮毛矯正を目指すために
    毛髪の状態・履歴をしっかり把握してから薬剤を選びましょう。

根元、中間、毛先で薬剤や放置時間を細かく調整すると効果的です。

薬剤処理の間にしっかり流す工程を入れ、残留薬剤を防ぎましょう。

シャンプー剤やアイロンの扱いも丁寧に。

毛髪化学を理解しながら施術を行うことで、髪にやさしく美しい仕上がりが叶います。

この内容は、髪質改善や縮毛矯正の施術の参考にしていただけたら嬉しいです。髪の美しさはお客様の自信につながりますので、一緒に大切に扱っていきましょう。

[応用編]毛髪化学と薬剤処理を深く理解して「美しく・安全な縮毛矯正」を実現するために!
◆ 毛髪化学の深掘り✨
◼️1. ケラチンタンパク質とS-S結合の構造
毛髪の約85〜90%はケラチンタンパク質でできており、このケラチンは数十種類のアミノ酸からなるポリペプチド鎖が折りたたまれてできています。中でも重要なのが「シスチン」というアミノ酸です。

このシスチン同士がジスルフィド結合(S-S結合)を形成し、毛髪の立体構造を安定させています。
これを一時的に切断することで髪の形状を変えるのが縮毛矯正やパーマの基本的な原理です。

🔷 ポイント:

S-S結合を完全に切る必要はなく、「必要最小限の切断」が理想です。

ケラチンの構造はアルファヘリックスと呼ばれるバネ状の構造をとっています。薬剤と熱によりこの形が変わると、髪の質感が大きく変わってきます💡

◼️2. 酸性・アルカリ性のバランス
薬剤のpH(ペーハー)は、髪の内部構造に強く影響します。

pH値 状態 毛髪への影響
4.5〜5.5 弱酸性(健康な状態) キューティクルが締まり、髪が安定
7.0 中性 若干の膨潤が始まる
8.0〜10.5 アルカリ性(薬剤使用時) キューティクルが開き、薬剤が内部へ浸透

縮毛矯正やパーマ剤は多くがアルカリ性です。アルカリによってキューティクルを開かせることで、薬剤が髪内部に届きやすくなります。

🟩ただしアルカリが強すぎたり、放置時間が長すぎると…
→ タンパク質が流出しやすくなり、空洞化(CMC崩壊)や軋み・ごわつきの原因になります😢

◼️3. CMC(細胞膜複合体)の重要性
CMCは髪のキューティクルとコルテックスの間を埋める「脂質+タンパク質」で構成された組織です。
これが整っていると…

✅ 水分保持力UP
✅ 指通り◎
✅ 外部ダメージのブロック

カラーや縮毛矯正の繰り返しでCMCが流出すると、髪はスカスカになり、パサつき・広がり・クセ戻りのリスクが上がってしまいます。

🟨そこで登場するのが「前処理・中間処理・後処理」によるCMCの補修・保護なんですね✨

◆ トラブル別・対策まとめ💭
アイロン後に毛先がビビりっぽくなる
【原因】

熱によるタンパク質変性(熱変性)

ダメージ部分への薬剤浸透過多

【対策】
✅ アイロン温度は180℃以下で調整
✅ 毛先は保護剤(ヒートプロテクト)を塗布
✅ 髪の水分バランスを整える前処理が必須(→UN1 mistの効果)
✅ Morga Aceやタンパク質+脂質補充タイプの処理剤でケア

クセが伸びきらない、戻りが早い
【原因】

放置時間不足/反応不足

2剤の反応不全(ブロム酸の酸化が不十分)

アイロンの熱が弱すぎた/操作不足

【対策】
✅ 薬剤の反応時間を段階的に設定(今回のような5+10+10分のように)
✅ 2剤はしっかり酸化させる時間と量を確保
✅ アイロンはテンション+熱をバランスよくかけることが大切です

反応不十分のまま酸化を行うと、「元に戻る力」が髪に残ってしまい、数週間でうねりが再発します💦

カラーの色抜け、変色
【原因】

アルカリ薬剤で色素が抜ける

高熱でメラニンが熱変性

ZEROシャンプー前に薬剤残留

【対策】
✅ 中間〜毛先は酸性〜中性領域の薬剤で対応(→Morga Aceは◎)
✅ アイロン温度はカラー毛なら160〜170℃が安心
✅ 流し後にトリートメントでpHを弱酸性に戻すと安定しやすいです

◆ 2剤処理(ブロム酸)のポイント💧
2剤の目的は、1剤で切断したS-S結合を再結合させて形を固定することです。

使用されるのは主に「ブロム酸Na」や「過酸化水素」。
・過酸化水素は反応が速く、ダメージ毛にはリスクが高い場合も
・ブロム酸は反応がゆるやかで安定性が高い2剤です

🟪注意点:2剤はしっかり時間をおいて反応を完了させること!
流しすぎやすすぎ、短時間での流出は、固定しきれずクセ戻りの原因になります😣


毛髪化学の理解が、美しい縮毛矯正の土台になります!
✔︎ S-S結合をどこまでコントロールするか
✔︎ 薬剤pHによる内部構造の変化
✔︎ CMC・キューティクルの保護と補修
✔︎ アイロン温度・時間・操作の最適化

トラブルの多くは「知識の不足」と「観察の甘さ」から起きます
✔︎ 毛髪状態を見極めるカウンセリング
✔︎ 処理剤・反応タイムの調整
✔︎ 毛髪の水分・タンパク質バランスを読む感覚


お客様の髪は、これまでの履歴や日常のダメージがすべて蓄積された「素材」です。
その素材に対して“髪に優しい道具”として薬剤を扱うことが、私たち美容師の使命なのかなと思います。

一つひとつの工程を「ただのルーティン」にしないで、髪がどう反応しているのか?今何が必要なのか?を観察することで、結果は必ず変わっていきます。

📌薬剤理論+化学+観察力=信頼される施術になります。

これからも、お客様に感動してもらえるような「素髪ストレート」を一緒に追求していきましょう。

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