📌 毛髪状態
カラーと縮毛矯正の履歴あり。
・中間〜毛先にかけてカラーによる乾燥、ひっかかり、パサつき
・毛先は過去の縮毛矯正の影響でダメージ蓄積
・根元〜中間はうねりとパヤ毛、捻転毛、波状毛、軽度の縮毛が混在
・髪質は硬さ・太さ・柔らかさすべて「普通」レベル

📌 薬剤処理設計
1️⃣ 前処理:UN1 mist(ベース保護)
2️⃣ 中間〜毛先:Morga Ace(内部補修を意識しながら軟化)
▶︎ 5分放置
3️⃣ 根元:Bliss Memory(還元力をコントロールしながらうねり対応)
▶︎ 5分+さらに5分
4️⃣ 流し後:ZEROシャンプー(バッファ処理&pH調整)
5️⃣ アイロン操作(質感と形状の安定化)
6️⃣ 2剤処理後、再度ZEROシャンプーでしっかり残留除去
📌 ポイント
・履歴の違う部位に対して薬剤を使い分けることで、ダメージの進行を最小限に
・Morga Aceで中間〜毛先の沈静化とCMC補修
・Bliss Memoryで根元のクセをしっかり伸ばしつつ、負担は最小限に
・ZEROシャンプーの活用で薬剤残留をコントロールし、仕上がりの柔らかさがアップ
✨ クセ毛の複雑履歴には、「分けて考える」が鉄則。
毛髪状態を見極めて、エリアごとの薬剤選定が鍵になります!
縮毛矯正や髪質改善の現場で、年々対応が難しくなってきているのが「複合毛」です。
新生部、カラー履歴、中間のパーマ履歴、毛先のブリーチ…
一人の頭の中に、まったく異なる履歴が複雑に混ざっているケースが増えていませんか?
今回は、そのような複合毛をどのように攻略するのか?
そして「履歴ごとに薬剤を変える理由」について、美容師として知っておくべき視点をまとめます。
そもそも「複合毛」とは?
複合毛とは、髪の部位によってダメージレベルや施術履歴が異なる毛髪状態を指します。
例を挙げると…
根元:新生毛(未処理)
中間:カラーやパーマ履歴あり
毛先:縮毛矯正やブリーチの履歴あり
こうした髪に、同じ薬剤・同じ放置時間・同じアイロン操作で対応してしまうと、どうなるか?
▶︎ 伸びない根元、過収斂する毛先、バサバサの中間
といった、ムラだらけの仕上がりになってしまいます。
なぜ「履歴ごとに薬剤を変える」必要があるのか?
理由はシンプルです。
履歴が違えば、髪の内部構造も反応速度も違うからです。
✅ キューティクルとコルテックスの状態が違う
新生毛:キューティクルがしっかりしていて還元が遅い
中間:カラーやアイロンの熱変性により、柔らかく還元が速い
毛先:CMC流出・熱変性・空洞化で、非常に繊細な状態
こうした毛髪の“素材の違い”を無視して同じ薬剤を使うと、
還元過多になった部分がビビリや断毛に、逆に反応不足の部分はクセが伸びない…というリスクが高くなります。
✅ 還元反応の「速度」と「必要度」が違う
クセを伸ばすには、適切な量のS-S結合を切断して軟化させることが必要ですが…
新生毛(強いクセ)には、しっかりした還元力
中間〜毛先(既に柔らかい髪)には、マイルドな処理や補修重視
といった“強弱”のコントロールが必要です。
薬剤のpH、チオ濃度、アルカリレベル、還元剤の種類(チオ、システアミン、GMTなど)も、それぞれ目的に応じて使い分けるべきなのです。
✅ ダメージを最小限にしつつ「均一な仕上がり」にするため
複合毛に一律処理をすると、見た目の仕上がりが揃いません。
「根元はツヤツヤなのに、毛先はゴワついてる」「中間だけクセが残ってる」など、仕上がりにムラが出てしまいます。
部位ごとに薬剤・処理を変えることで、あたかも“髪全体が同じ状態だったかのように”自然に見える仕上がりが実現できます。
実際のアプローチ例
● 事前処理
UN1 mistなどで髪のベースコンディションを整える
CMC補給やバリア効果で、薬剤の侵入をコントロール
● 薬剤設計
根元(新生部)
→ Bliss Memory:クセの強さに合わせてしっかり軟化&伸ばし
→ 還元コントロールしやすく、負担は最小限
中間〜毛先
→ Morga Ace:補修重視でCMCの安定化&穏やかな還元
→ 5分放置で内部から沈静化
● 中間処理〜シャンプー
ZEROシャンプーでバッファ処理&pH調整
→ 薬剤の残留を防ぎ、質感を柔らかく安定させる
必要に応じて酸処理や水分補給系トリートメントを併用
● アイロン操作〜2剤処理
テンション・温度・スルー回数をエリアで調整
仕上げもZEROシャンプーで薬剤をしっかり除去
「髪を1枚のキャンバスとして見ない」
複合毛の攻略は、「髪全体を同じ物質として見ないこと」から始まります。
部位ごとに状態を読み取り目的に合わせた薬剤と操作を選びその全体を“ひとつの美しいスタイル”としてまとめる。
それこそがプロの薬剤設計であり、本当の意味での髪質改善・縮毛矯正の技術です。
「複合毛だからこそ、分けて考える」
この視点を持つだけで、施術の精度と結果は大きく変わっていきます。

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